世界の宗教史 第4部 / 近世編

部末まとめ

宗教改革と世界への伝播

近世の宗教史には、複数の再編が同時に進んでいました。アジアでは帝国の統治や新たな信仰共同体が発展し、ヨーロッパでは宗教改革とカトリック内部の改革が進みました。各地の政治権力は信仰を支援する一方、境界を定め、統制しようともしました。

宗派の違いを認める和議は、すべての個人の自由を意味したわけではありません。また、宣教は言語や教育の交流を伴うとともに、植民地支配や同化と結びつきました。拡大の歴史を語るとき、信仰を選んだ人、選択を奪われた人、伝統を守った人の経験を分けて見ることが重要です。

次巻では、こうした問題が市民の権利、近代国家、民族主義、信教の自由という新しい枠組みでどう問い直されたかを学びます。

本文を振り返る

  1. 第1章アフリカ・南アジアの交流と新しい伝統
  2. 第2章宗教改革 ― 信仰・印刷・国家
  3. 第3章大航海時代と宗教 ― 宣教・植民地・受容
  4. 部末まとめ

資料で復習

写真と史料に戻って確かめる

本文の説明を、実物資料のどこに結びつけられるでしょうか。問いを選ぶと、資料と考え方の例へ戻れます。

  1. この絵から「二つの宗教は同じだ」と結論づけられるでしょうか。
  2. なぜ作者とルターの関係を調べる必要があるのでしょうか。
  3. 「外から来た宗教」と「現地の文化」は、必ずどちらか一方を選ぶ関係でしょうか。

この部の主な年代

  1. 15世紀末〜16世紀初め
    ナーナクの活動

    パンジャーブでシク教の出発点となる。

  2. 1517年
    ルターの問題提起

    九十五か条の論題。印刷と政治の動きが改革を広げる。

  3. 1545〜1563年
    トリエント公会議

    カトリック教会の教義の再確認と改革。

  4. 1549年
    ザビエルの来日

    海上交流を通じてキリスト教が日本へ伝わる。

  5. 1555年
    アウクスブルクの宗教和議

    カトリックとルター派の併存。個人の全面的な信仰自由ではない。

  6. 1618〜1648年
    三十年戦争

    宗派対立に国家の勢力争いが重なる。

  7. 19世紀以降
    先住民の寄宿学校での同化

    北米で言語・宗教・生活への強制が行われる。